スキルアップのイメージ図
青空の中走るトラック
ペンを走らせる手元

運送業や倉庫業などの物流業界で役立つ資格は、たくさんあります。
「これからもっと物流業界で活躍をしたい」「物流業界へ転職したい」と考えている方は、これからご紹介する内容をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
物流業界での必須資格や、物流にまつわる知識を深められる資格を「国家資格」「公的資格」「民間資格」の3つにわけてご紹介をします。

国家資格

最初に、物流に関係する国家資格について紹介をします。 「運行管理者(貨物)」「自動車免許(大型、中型、大型特殊、けん引など)」 「フォークリフト運転技能者」 「危険物取扱者」の、4種類の資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

運行管理者(貨物)

運行管理者(貨物)の資格は、主に運送会社で安全な輸送を行うための「指導」に関係しています。
安全を確保する判断力と、ドライバーに適切な指示を与える指導力が求められる資格です。この資格を管理職になる条件として設けている企業もあるとのこと。

受験の条件は、
「運行管理に関して1年以上の実務経験がある」「基礎講習を終了している」、この2つのどちらかを満たしている必要があります。

自動車免許(大型、中型、大型特殊、けん引など)

「自動車免許」は、トラックドライバーなどの運転手にとって必須の資格です。運転する車両に合わせた資格の取得が必要になります。
たとえば、4tトラックを運転するためには中型1種免許。10t以上トラックの場合だと、大型1種の免許が必要になります。
免許の取得のために、教習所で学んでから免許センターで試験を受ける方が多いですが、免許センターで一発試験を受けることも可能。

受験の条件は
中型1種自動車免許…普通車免許・大型特殊免許、どちらかの取得から2年以上経過していること
大型1種自動車免許…普通車免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取って3年以上経過していること

その他にも大型特殊、けん引などの自動車免許も物流会社で活躍できる資格です。運転する車両にあわせた免許を取得するようにしましょう。

フォークリフト運転技能者

フォークリフト運転技能者は、倉庫・ヤードでの作業にマストな資格です。フォークリフト免許があることで、倉庫内業務で活躍することができるでしょう。

この資格は、フォークリフトの最大積載量が「1t未満」「1t以上」で資格の取得方法が変わってきます。
「1t未満」は特別教育を受講すること、「1t以上」は技能講習の修了が必要になります。ちなみに「1t以上」の試験は、学科・実技の講習後に試験があります。
取得に当たる日数の目安として「1t未満」は1日、「1t以上」の場合だと所持している資格により受講時間が変わるため2〜6日ほどになります。

危険物取扱者

危険物取扱者は、薬品・ガソリンなど取り扱うモノによってこの資格の所持が義務付けられています。

「タンクローリー」や「危険物」などの配送を行うドライバーにとっても必須の資格です。
倉庫勤務でも、会社によっては危険物を取り扱うことがあるため、取得をしていると役立つ可能性もあります。
試験に合格すると、資格を取得することができますよ。危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の3種類の免状があり、それぞれの免状で取扱いのできる危険物の種類が違います。


公的資格

次に紹介するのは公的資格です。紹介するのは「ロジスティクス管理 2・3級」「ロジスティクスオペレーション」の2種類です。どちらも受験制限の無い資格のため、どなたでも受験をすることができます。

ロジスティクス管理 2・3級

ロジスティクス管理は、中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施する物流の管理・運営に関わる資格になります。「企画・生産・販売計画・在庫状況」などを行う管理者向けの資格であり、3級では現場知識が問われ、2級ではマネジメントを含んだ仕事がこなせる方に対応しています。資格試験であり、テストに合格すると資格を得ることができますよ。受験制限は設けていないので、誰でも受験を受けることができます。

ロジスティクスオペレーション

ロジスティクスオペレーションは、先程述べたロジスティクス管理と同様中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施する物流の管理・運営に関わる資格になります。こちらは物流センターなどで、「荷役・保管・包装・流通加工・輸配送管理業務」などに関わる方が対象です。3級は係長を目指す方、2級は課長を目指す方が、おおよその受験者層になります。こちらもテストに合格すると資格取得、受験制限がありません。


民間資格

最後に民間資格についてご紹介をします。「物流技術管理士」「ロジスティクス経営士」「倉庫管理主任者」「物流経営士」をこの記事で説明します。物流に関する民間資格は、このほかにもさまざまな資格がありますが、とくに役立つであろう資格を選び紹介します。

物流技術管理士

物流技術管理士は、ロジスティックスの管理者向けの資格です。公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が認定しています。物流のみならず、資材調達・生産支援・保管・輸送などの全般の管理を行なっていくことを目指します。
資格は、講座を受講したのちに試験に合格すると取得することができます。
物流の全領域ついて、専門知識を体型的に学ぶことができるため、これまでに数多くの方が資格を取得してきました。

ロジスティクス経営士

ロジスティクス経営士は、とくに物流における経営幹部を育成するための講座です。受験資格は、部長職・幹部候補のロジスティクス関連の実務経験が5年程度ある方や、物流技術管理士もしくは国際物流管理士の資格取得済みで3年以上の経験をもつ幹部候補の方です。幹部として総合的にロジスティックのことを考え、実践することができる方向けの講座になります。
ロジスティクス経営士は、受講ののち、論文試験・面接試験に合格すると資格を習得することができます。
講義・ケーススタディ・グループミーティングを通じて、知識や対応力などを身につけていきます。

倉庫管理主任者

倉庫業法で倉庫業者に対して、倉庫管理主任者の選任を義務付けています。火災の防止や、倉庫管理に関係する知識が身についている証明でもあります。
そのため倉庫会社にとっては、倉庫管理主任者の資格を取得する人材が必要になります。
この資格の取得方法ですが、5時間〜6時間30分ほどの講習を受講すると取得することができます。1日で取得することができるので、比較的簡単に取得できる資格だといえるでしょう。

物流経営士

物流経営士は、トラック運送事業の経営者に向けた講座を受講した方に与えられる資格です。平成10年に全日本トラック協会により開始されました。物流の新たな時代に向き合うための知識・技能を得ることを目的としています。
受講時間は116時間、座学だけではなく、課題別討議と発表なども行う充実した内容のもと物流の知識を身につけていきます。


まとめ

今回は、物流業務に関わる資格を紹介しました。倉庫業や運送業の物流で通用する資格は、さまざまなものがあります。管理職・現場職によっても取得するべき資格は違います。「これから物流で活躍したい」と考えている方は、目的とする業務に合わせた資格を取得するようにしましょう。

ペンネーム:山中かおり