物流センターでAIを導入し、諸問題を解決しようという動きが進んでいます。
「倉庫にロボットを導入することが流行っているようだけれども、どんな役に立つのだろうか」「どんな働きをするロボットがあるのだろうか」とお考えの倉庫業の担当者は、ぜひこの記事をご覧ください。
今回の記事ではロボット導入のメリットや、実際に倉庫に導入されているロボットのタイプなどをご紹介しています。
人手が足りない…作業のミスが多い、長時間労働でスタッフがやめてしまう、といった悩みを、ロボットが解決してくれるかも知れません。

ロボット導入のメリット

「ロボットを導入すると、どんな問題を解決できるのだろうか?」とお悩みの方に、まず「労働力不足の解決」「正確な作業が実現可能」「長時間労働の解決」の3つのポイントからメリットをご紹介します。ロボットを導入することにより、企業の抱える悩みが解消されるかも知れません。

労働力の不足解決

ネット通販のサービスが普及し、それに伴い倉庫業のニーズが増し作業が増えるようになりました。国土交通省では、平成30年の宅配便取扱個数は4,307百万個であり、これは10年前と比較すると約,000百万個も増加していることになります。
では、倉庫内の労働者は充分に足りているのでしょうか?帝国データバンクが行った調査を見てみると、「運輸・倉庫」業で人手不足だと答えた企業は6割にも上ります。

作業量が増えたにもかかわらず、労働者の確保が追いついていない現実があるようです。
倉庫で作業を行うスタッフがパートの従業員も多いです。倉庫がある場所の近くには国道があり、近隣にショッピングセンターがあることも多く、そちらに人材が奪われているケースもあるようです。
そしてこれからの日本社会は高齢化を迎えます。労働人口がさらに減っていくために、なんらかの形で労働力を確保する必要があります。現在、労働力が足りている倉庫でも、将来的にどうなるかはわかりません。
自動搬送するロボットを導入することにより、現在やこれから起こるであろう人手不足を解消できる可能性があります。

正確な作業が実現可能

ロボットを活用することにより、人的なミスを減らすことが期待できます。
倉庫で行う作業のなかには、確認漏れやミスが発生する場合もあります。例えば、在庫管理・ピッキングなどです。単調な作業のため、ミスが発生しやすく気が付きにくい問題もあります。

単純な確認・単純な情報の処理を行う作業であれば、ロボットに任せれば今以上に正確に業務を行えるかも知れません。

長時間労働の解決にも

これは物流センターによりけりですが、人手不足のため作業スタッフの大きな負担を強いているケースもあります。
人が足りないので、作業が終わらず長時間労働にならざるを得ないからです。
作業スタッフの拘束時間が長くなり作業量も増え、作業スタッフが耐えきれずやめてしまうことも少なくありません。

ロボットを導入することで、作業スタッフの負担を減らすことができるため、長時間労働の解決にもなる可能性が十分にあります。長時間労働で離職率が高くなっている職場であれば、効果がでるかもしれません。

さまざまな自動搬送を行うロボットの種類

次にご紹介をするのは、実際に物流センターに導入されている代表的な自動搬送のロボットのタイプです。「棚ごと持ち運ぶ自動輸送ロボット」「目的の棚まで向かい、自動搬送するロボット」「ドローンの活用」の3点からご説明をします。AIが搭載されており、自動で動くので業務の役に立つ可能性があります。
どのようなシーンに役立つかも記載しているため、ぜひ参考にしてみてください。

棚ごと持ち運ぶロボット

「棚ごと作業スタッフの前に移動させる」ロボットが、倉庫業における搬送ロボットではメジャーです。作業スタッフがピッキングために、物流センターを歩き回る必要がなくなります。
有名な企業では、Amazon・ニトリの倉庫で導入されていますよ。

巨大な物流センターになると取扱商品が多く、商品のある棚に向かうためにも時間が非常にかかります。物流センターによっては商品を持ってくるためのピッキング専門のスタッフを育てていることもあります。
この棚ごと持ち運ぶロボットを導入すると、ピッキングのために物流センターを歩き回る必要がなくなるため、作業時間を減らすことができます。
ロボットの価格と人件費を比較すると、ロボットの方が安く上がる場合も。
物流センターによりますがロボットを導入する方がコストを削減することができるケースも多いようです。

目的の棚まで向かい、自動搬送するロボット

作業スタッフとともに棚まで向かい、商品を運ぶロボットを導入する物流センターも少なくありません。作業スタッフの後を追うものから、作業スタッフを先導するロボットもあります。
このタイプのロボットは、医療機器商社のムトウが自社倉庫に導入しています。

ピッキング作業を一人前にできるようになるためには、学習が必要なため教育が必要ですが、習熟度を問わない仕組みも作られているロボットもあるため、それを利用すると初心者にも仕事を任せることができます。
教育の手間も省けるため、教育者の負担を減らすことができるのも嬉しいポイントです。
重い荷物を一度で運べるようになるため、作業スタッフの体力を激しく奪うことがなくなり、尚且つ効率的に運ぶことができます。ロボットによって、価格は変わってくるため確認が必要です。

ドローンの活用

荷物を運ぶ面でも、ドローンの活用も考えられています。倉庫の在庫ピッキングにも活用ができるからです。
自動で探し出し持ってくるため、地上だけではなく空中からも運べ作業効率が上がる可能性もあります。

一方として、活用されているのは在庫の位置情報、在庫の数などのデータを自動で取集することです。

飛行物体であるドローンを活用すると、人の手が届かない場所に置かれた在庫を移動させずにチェックすることができますよ。スキャナーを取り付けたドローンで、商品コードが貼られた在庫をスキャンしていきます。
またAIによる自動操縦のプログラミングがされているものもあり、人が操作しなくても、あらかじめ設定をしておけば自動的に稼働することも可能。障害物をさせて動くようにもできます。
在庫管理の仕事の負担を減らし、尚且つ人的なチェックミスもなくなるでしょう。

ドローンの導入に関しては、特別な届出を出す必要はありません。屋内のドローン飛行に関しては、航空法の規制がないからです。
導入する際は、倉庫内スタッフの安全を考えて行いましょう。

まとめ

いかがでしょうか?今回はロボット導入のメリットと、実際に導入されているロボットのタイプについてまとめました。人手不足・作業ミス・長時間労働など、さまざまな問題を抱えた倉庫業界にとって、ロボット導入は解決方法になるかもしれません。
さまざまなタイプのロボットが現在、倉庫で導入されており、業務で活躍をしています。今回紹介したのは、「棚ごと持ち運ぶ自動輸送ロボット」「目的の棚まで向かい、自動搬送するロボット」「ドローンの活用」この3点です。

AIが搭載されたロボットは、トラブルを抱える倉庫業の救世主になるかも知れません。ロボットという新しい技術を導入し、問題解決に向かってみてはいかがでしょうか。

ペンネーム:山中かおり