新型コロナウイルスで輸入品が届かない?国外の配達現状とは

新型コロナウイルスの影響は日に日に増してきて、世界各国でも深刻な状況になっています。
そういった背景もあり、各国入国制限を設ける国が多くなり、日本から外国、あるいは外国から日本への行き来が困難な状況が発生しています。
そして航空便の大幅な減便に伴い、輸入品の配達も滞った状態が続いています。
そこで新型コロナウイルスによる輸入品の配達状況を検証しました!

ANAの場合


新型コロナウイルスの影響を受け、旅客便だけでなく、貨物便にも影響が出ています。
現時点(3/30)で3月29日から4月24日までの運休減便状況が発表されていますので、ご紹介しましょう。


【運休】

成田-広州間
成田-上海間
沖縄-上海間
広州-成田間
上海-成田間
上海-沖縄間


【減便】

成田-青島間
関連ページ:https://www.anacargo.jp/ja/news/_2020_317.html



上記は貨物便の状況です。
旅客便の減便、運休情報とは違うので注意しましょう。


このように旅客便に比べれば荷物の運搬に関する運休、減便は少ないと言えます。
「人の往来より物の往来はそこまでリスクがない」、「物資の輸入、輸出は不可欠」と判断されているのでしょう。
ただし結局は旅客便が減ってしまえば、物の運搬がそれに伴い減ってしまうので、旅客便の減少、運休は輸入品、輸出品減少に繋がっています。
なお、この情報は3月17日にANAが発表したものです。
3月30日時点で、新たな情報は更新されていません。
今後の世界情勢によっては、さらに貨物便の減便や運休の可能性も考えられます。



JALの場合


JALでも新型コロナウイルスの影響を受け、旅客便だけでなく、貨物便にも影響が出ています。
3月13日に貨物の運搬状況に関する運休、減便状況が発表されていますので紹介しましょう。



【運休】

羽田-広州間(一時運休)

羽田-ソウル間(一時運休)



【減便】


成田-ホノルル間

関連ページ:https://www.jal.co.jp/jalcargo/inter/news/

なお、JALでは人が一切搭乗するなく、貨物のみのチャーター便運航も行っています。
その場合は羽田-上海間、羽田-広州間の貨物便で荷物の搭載可能になっています。
今後は世界各国、特にヨーロッパでの新型コロナウイルス拡大に伴い、貨物便にも影響が出るかもしれません。

通販サイトなどのサービスごとに配達可否が決まる

JALやANAなどの貨物便がまだ輸送可能な状態になっていても、全ての商品が届くわけではありません。
通販サイトによっては新型コロナウイルスの影響で、「一部配達遅延が起こっています」、「商品の受注を停止いています」などと記載されているサービスもあります。
例えば、アメリカのAmazonのようにイタリアやフランスからの輸入品が一時利用停止になっているケースも。
生活必需品の配送を優先するため、一般商品の購入ができなくなっています。
こういった状況が日本で当たり前のように起こってもおかしくありません。


中国産に依存していた商品の配達はどうなる?

新型コロナウイルスの影響で、中国から日本への輸入が大幅に減少しています。
財務省が3月27日に発表した貿易統計では、中国からの輸入額が去年と同じ時期に比べて47%ほど下回り、半減する形となりました。
例えば、身近な生活必需品の傘や下着などは中国製のものが非常に多くありましたが、それらは6割から7割ほど減少。
そのほか、携帯電話の電子部品、調理品など中国産に頼っていたものが軒並み大幅減少しています。


こういったものは今後も見通しが立たず、中国からの輸入が厳しいとにらみ、各社色々な対策を行っています。
例えば、「海外の製造工事を停止し国内に拠点を移す」、「中国以外の別の国に製造工場を移す」、「湖北省以外の中国の工場で生産する」などの措置です。
仮に製造ラインが保たれていても、空輸が追いつかない状況があります。


空輸は生活必需品や医薬品が優先され、家電の部品や自動車のパーツなどは後回しされている状態です。
現在は中国以外にも、新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいる状況から、他国に製造拠点を移しても、再び輸入制限措置などがかかる危険性もあるため、国内での生産を第一に考える企業が増えています。


食品に関しては、国内で補うという考えの企業が多くなっています。
中国産水産物に頼っていたスーパーなどもありますが、そういったところは国産に切り替えての対応が求められます。
今後は日本での食料自給率を引き上げることが課題になりそうです。

中国産輸入物は新型コロナウイルスの影響はあるの?

スーパーなどの商品を詳しく見ると「中国産」と記載されたものも少なくありません。


現在でもタケノコ、タマネギ、人参、ゴボウ、お茶、ネギなど中国産の食品に頼っている部分も多いです。
食材の25%は中国産でシェアを占めています。
どうしても消費者目線では、「中国からのものだと新型コロナウイルスに感染してしまうのでは?」という考えもなくはないでしょう。


食べ物で感染するのか調べたところ、アメリカ疾病対策センター(CDC)が次のように発表しています。
「中国からの輸入品により、新型コロナウイルスに感染する証拠はなく、リスクは非常に低い」
新型コロナウイルスに関してはまだ不明点があるものの、「何日、あるいは何週間もかけて輸送されたもので人間に感染力をもたらすほどの力は残っていない」と説明しています。


こういった背景から考えても、例えば中国産のネギやタケノコを食べたとして、新型コロナウイルスに感染してしまう可能性は極めて低いでしょう。
ただ、まだ未知なウイルスということを考えると、なんとなく中国産の食品は、今は避けておきたいと考える人も多いかもしれません。

まとめ


以上、新型コロナウイルスによる国外からの輸入品、配達状況について紹介しました。


人の制限措置ほどまだ厳しい制限がされていないため、中国をはじめ各国からの輸入品が届く状況ではあります。
ただ、どうしても生活必需品などの優先度の高いものから配送、配達という考えがある国もあるため、一般の商品は配達遅延が起こっている可能性があります。


航空業界でも貨物便の運休、減便が発表されていますので、今までと同じような期間で届くとは限りません。
特に新型コロナウイルスの急速拡大が見られる地域の配達は滞ることが懸念されます。
必要不可欠なもの以外の海外からのお取り寄せは、現時点ではできるだけ控えた方が良いでしょう。

ペンネーム:2010start